菅総理は、今回の巨大地震と被害を
戦後最大の危機だとして
国の総力を挙げて人命救助と
復旧・復興に取り組むと国民に訴えた。

衆参両院議長らも会談を開き
今後は予算案や関連法案などの審議において
最大限柔軟かつ迅速な国会運営を
進めるという合意をした。

マグニチュード9.0、
死者・不明者は1万人を越えるという
これまでの地震災害の経験をはるかに越える
未曾有の事態に
日本は一丸となって対処しなければならない。

いま被災地では全国から自衛隊や警察、消防、海上保安庁、
水道局、医療チームなど国や地方のあらゆる行政機関が
懸命に救難・救命活動を実施しているし
海外からも多くの救命チームが次々と日本に
到着している。

そうした活動を支えるためには
国や地方自治体の行政基盤が最重要である。
そのために、何といっても国の新年度予算を速やかに成立させた上で
補正予算も組んで成立させるとともに
交付税など国の予算に連動する地方自治体の新年度予算も
スムーズに執行できるようにしなければならない。

しかしそんな時、
自民党や公明党は
「国会を法的に休会すべき」とか(※)
組み替え予算を求めている。
これは、今回の巨大地震に乗じて
新年度予算の成立と執行を遅らせて
民主党の足を引っ張り、民主党に責任を擦り付け、
国や地方自治体を混乱に陥れる
「政局」にしようとしている現れであり、
怒りさえ感じる。

(※:衆参両議長は13日に会談し、
「国会が急に対応しなければならない事態もあるので
臨機応変に対応する」として、
国会法上の休会は望ましくないとの認識で一致。
与野党が週明けに、自主的に必要最低限の課題以外は
審議を控える方向で調整する見通しとなった)

自民党や公明党には、
予算未成立のときの甚大な損害を
想像できないのであろうか。

全力をあげて活動している閣僚や各省庁の職員が
組み替え予算づくりに今後3週間も振り回されることになるし
それ以上に被災地の地方自治体や、被災地を救援しようとする
他の地方自治体の活動を阻害する以外の何者でもない。

もちろんそれ以外にも、
日常の行政活動、経済活動、社会保障、教育、
警察、消防、市民サービスなど、多大な影響を与えるのは
目に見えている。

アメリカ・クリントン大統領時代に、
共和党が新年度予算に反対したことがある。
新年度に入り、国の機関がストップし、
国民生活に大きな影響を与えた。
その後の選挙で共和党は惨敗した。

国民はしっかりと冷静に判断しているのである。

ここは、政局や党利党略に走ることなく
超党派でこの国難を乗り越える活動に
尽力しなければならないと考える。

そのためにはまず、国の新年度予算を
速やかに成立させるべきである。